カップラーメンやスナック菓子の裏によく記載されているトランス脂肪酸。
このトランス脂肪酸とは一体どのような成分なのでしょうか。
今回の「今更聞けないシリーズ！」では
トランス脂肪酸についてご紹介します。
トランス脂肪酸
とは
トランス脂肪酸は、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。
天然由来と工業的に
作られたものがあります。
天然に含まれるもの
牛や羊などの反芻（はんすう）動物は、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。
そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が
天然で含まれています。
工業的に作られるもの
植物油などから半固体または個体の油脂を製造する際に、「水素添加」工程や植物油を
高温にして脱臭する工程で
トランス脂肪酸が生じます。
トランス脂肪酸は
天然にも含まれるものなのに
なぜ体に悪いの？
トランス脂肪酸は、LDL（悪玉）コレステロールを増やすだけでなく
HDL（善玉）コレステロールを
減らすことが報告されています。
つまり、動脈硬化になると、血管に詰まりが発生しやすくなるため、
心疾患を高めるリスクがあります。
トランス脂肪酸の
摂取量はどのくらいに
抑えたらいいの？
WHOでは心血管系疾患のリスクを減らすため、トランス脂肪酸の摂取を
総エネルギー比１％未満に
抑えるように定めています。
日本人が1日に摂取するエネルギー量の平均は約2,000 kcalであり、
この1%に相当するトランス脂肪酸の
量は約2グラムです。
健康のためにも、トランス脂肪酸の
摂取はできるだけ控えましょう。
トランス脂肪酸が多く
含まれている食材
ファーストフード
フライドポテト
インスタント食品
カップラーメン
マーガリン
ショートニング
スナック菓子
ポテトチップス
焼き菓子
ドーナツ、クッキー
調味料
マヨネーズ、カレールー
豆知識 商品パッケージの成分表示を見るようにしましょう
商品の裏に書かれている食品表示に「マーガリン」「ショートニング」
「ファットスプレッド」「食用植物油」「加工油脂」と記載があるものは、トランス脂肪酸が入っていることが多いので、避けるのが◎
参考：
※ 農林水産省, すぐにわかるトランス脂肪酸, https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/, 2022年12月20日
※ 厚生労働省,トランス脂肪酸に関するQ＆A, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091319.html, 2022年12月20日
※ World Health Organisation, Nutrition: Trans fat, https://www.who.int/news-room/questions-and-answers/item/nutrition-trans-fat,2022年12月20日
※ 消費者委員會,反式脂肪冷知識 https://www.consumer.org.hk/tc/media-library/image/512-trans-fat-food-knowledge, 2022年12月20日